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RJC認証とは?日本で認定済みのジュエリーブランド6社を紹介

世界的にSDGsに向けた大きな流れがあり、環境や社会にきちんと配慮した企業に関心が高まっています。
この記事では、透明性のある取引に関する認証「RJC認証」や、日本でRJC認証を取得している企業(ブランド)について紹介します。
日本ブランドでは現在RJC認証を取得しているのはたったの6社のみなので、かなり希少なブランドと言えます。
(2022年3月現在)

※本ページはプロモーションが含まれています。

RJC認証とは

RJC認証(Responsible Jewellery Council:責任あるジュエリー協議会)」とは、ジュエリーを扱う企業を対象として、環境・倫理面の取り組みや取引の透明性に問題がないことを示す認証です。

RJC(Responsible Council:責任あるジュエリー協議会)とは、金及びダイヤモンドを取り扱う宝飾業界を対象とした、社会・環境責任の範囲をカバーする規範と規格を開発する国際的な非営利組織です。
世界に名だたるグローバル企業(リオティント、デビアス、カルティエ、ティファニー、グッチなど)を含む350のメンバーを有し、国連のグローバルコンパクト(10の環境・倫理などの原則から成る企業への戦略的方針イニシアチブ)にも参加しています。

RJC認証を取得することで、ダイヤモンド・金・プラチナなどの貴金属の発掘から小売までのプロセスに、社会的責任を果たしていることを示すことができます。
持続可能なサプライチェーンの構築していることが示せるため、企業としてSDGsに取り組んでいる証明となります。

RJCが発足された背景

RJCが発足された背景には、紛争ダイヤモンドがあります。

アフリカなどの紛争地帯では、現地の子供達が過酷な環境でダイヤモンドの採掘を強制されていました。
採掘されたダイヤモンドはテロや紛争で使う武器の資金源になっており、新たな少年兵が生まれる悪循環が起きていました。
この一連の流れは、「ブラッド・ダイヤモンド」という映画になるほどの国際的な問題となりました。

これまで、私たち消費者の手元にダイヤモンドが届くまでの過程は明らかになっていませんでした。
不当な取引を排除し、透明性のあるジュエリーの供給を行うために、RJCが発足されました。

RJC CoP認証・CoC認証の違い

RJC認証にはCoP認証とCoC認証がありますが、どちらも貴金属が透明性を持って調達されたことを示す認証です。

RJCではCoP認証がメインであり、CoC認証はあくまで補完的な立ち位置です。
そのため、一般的にRJC認証といえばRJC CoP認証のことを指している場合がほとんどです。
RJCに加盟した場合CoP認証の取得は必須なのに対し、CoC認証の取得は任意です。

CoC認証では、貴金属の採掘〜小売まで完全なトレーサビリティが実現できていることが求められます。

認証名 取得 対象素材
CoP認証
(Code of Practices)
必須 ダイヤモンド・金・銀・プラチナ・カラーストーン
CoC認証
(Chain of Custody)
任意 金・プラチナ・パラジウム・ロジウム

小売メインの企業はCoP認証のみ取得しており、地金の加工や精製をメインに行う企業はCoP認証とCoC認証の両方を取得しているケースが多いです。

自動車業界のRJCは全く別の団体

テレビCMの影響からか、日本では「RJC」と聞くと「RJCカーオブザイヤー」の方が知名度が高いかもしれません、

こちらのRJCは「automotive Researchers' & Journalists' Conference of japan」の略称で、宝飾業界のRJCとは全く異なるものです。

RJCとは?|RJC 日本自動車研究者 ジャーナリスト会議

RJC認証を取得している日本の企業(ブランド)6社

企業(ブランド)名 CoP認証取得 CoC認証取得
HASUNA (ハスナ) 2014年4月 -
4℃ (F.D.C Product Inc) 2018年5月 -
株式会社ワールドリング 2019年4月 2019年6月
アサヒホールディングス 2019年7月 2021年7月
中川装身具工業株式会社 2020年4月 2020年7月
株式会社光彩 2021年11月 -

2022年3月現在、日本企業では6社がRJC認証を取得しています。
また、上記の他にもMIKIMOTO(ミキモト)が取得準備中です。

最新の日本のRJC認証済みブランドは、こちらから確認できます。

Find an RJC Member • Responsible Jewellery Council (RJC認証取得済みの日本企業)

HASUNA (ハスナ)

HASUNA (ハスナ)は、日本で初めてRJC認証を取得した企業です。
ペルーやパキスタン、ルワンダなど世界約10ヵ国の宝石鉱山労働者や職人の元を訪れ、児童労働がされていない素材を仕入れるなどして、いち早く素材調達のプロセスの透明化に取り組んできました。

サステナブルな取り組みに特に力を入れているブランドで、ダイヤモンドの採掘環境だけでなく地金に使われるゴールドの採掘環境にも配慮しています。

他にも、コレクションごとにエシカルな素材が使用されており、社会貢献に繋がる工夫がされています。

コレクション名 支援内容
Lucent 貧困に苦しむパキスタンの女性たちに石を磨いてもらい生活を支援
l’unique 現地ベリーズの職人が磨き・カットを行い、途上国の発展を支援
HOPE 元ストリートチルドレンの青年たちに加工技術を教育し、自活を支援
Bless 愛媛県西予市明浜町のあこやパールだけを使用することで自然環境の保全に貢献

コレクションそれぞれにストーリーがあり、ジュエリーを身に着けるたび、遠く離れた地で生活する人の様子が目に浮かぶでしょう。

HASUNAのジュエリーを選ぶことは、すなわち、あなたが社会へ貢献したことにつながります。
企業の責任が問われるこれからの時代に、最も応援したくなる企業です。

ウェブサイト https://hasuna.com/
RJC取得証明書 HASUNA Co., Ltd. • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2014年4月

4℃ (F.D.C Product Inc)

F.D.C Product Incは、ジュエリーブランド「4℃」を運営するホールディングスグループ。
日本では、ハスナに次ぐ2番目にRJC認証を取得した企業です。

取引の透明性だけでなく、途上国の中には安定した飲み水を確保するための「アクアプログラム」の活動も行っています。
水に深い関わりと共感を持つ4℃の社会貢献|日本でわずか3社のみが認定。世界基準での「信頼」とは

さらに近年では、ジェンダーレスに特化したブランド「4℃ HOMME+」(ヨンドシーオムプラス)を展開。

 

サスティナブルな世界に向けて、力強く世の中にメッセージを発信しているジュエリーブランドです。

ウェブサイト https://www.fdcp.co.jp/
RJC取得証明書 F.D.C Products Inc. • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2018年5月

株式会社ワールドリング

株式会社ワールドリングは、「鍛造」製法のプロフェッショナル集団です。

鍛造とは、強度の弱いゴールドやプラチナの貴金属を、圧縮することで硬く丈夫にする工程のこと。
非常に難易度が高い技術ですが、熟練の職人の手作業によって1つ1つ丁寧に作り込まれています。

1962年創業の歴史を持ち、数々の特許も保有。

1つの素材から2つのリングを作り出す製法により、二人だけの結びつきを表現するペアリングの製造も行っています。

ブランドサイト「INCARNATION」では一般向けに結婚指輪の販売も行っています。

ウェブサイト http://www.world-ring.com/
RJC取得証明書 World Ring Co., Ltd • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2019年4月

アサヒホールディングス

アサヒホールディングスは、BtoC向けの小売は行っていないため馴染みが薄い方が多いかもしれませんが、東証一部上場の大企業です。

RJC認証を取得したのはアサヒホールディングスのアサヒプリテック株式会社で、貴金属の精錬やリサイクルを行う企業です。ジュエリーだけでなく、私たちが普段使っているスマートフォンやテレビなどからも、貴金属を抽出してリサイクルしています。

リサイクルされた貴金属は市場や指輪メーカー等に出荷され、私たちが身に着けるジュエリーに生まれ変わります。
また、CoC認証を取得した企業でもあり、金やプラチナなどのサプライチェーンの管理を徹底していることがわかります。

ウェブサイト http://www.asahiholdings.com/
RJC取得証明書 Asahi Pretec Corp. • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2019年7月

中川装身具工業株式会社

中川装身具工業株式会社は、ジュエリー用のパーツを加工・販売を行う企業です。
ネックレスのチェーンやピアスのキャッチなど、アクセサリーに欠かせない素材を取り扱っています。

卸売専門店のため一般の方向けの販売は行っていませんが、幅広いジュエリーパーツを手掛けています。
普段身につけているアクセサリーが「実は中川装身具工業のパーツだった」なんてこともあるかもしれません。

1949年に設立以来、70年以上の実績を積み上げてきた老舗の素材メーカーです。
国内のみならず、海外の著名なデザイナーやファッションブランドからも高い評価を受けています。

海外メディア The Worldfolio のインタビュー記事

ウェブサイト https://www.nakagawa-tokyo.co.jp/
RJC取得証明書 Nakagawa Corporation • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2020年4月

株式会社光・彩(KOSAI)

株式会社光・彩は「宝石の街」山梨県甲府市に本社を置く、1955年の創業の老舗ジュエリーパーツメーカーです。
世界でシェアを獲得しており、ジュエリーパーツでは50%のシェア、イヤリングパーツでは70%のシェア実績があります。

SDGsへの貢献にも積極的で

  • 本社の全照明をLED化
  • 使用電力の100%を再生可能エネルギーに変更
  • 植林事業「CoCoLoプロジェクト」へ参加
  • リサイクル地金※だけを使用した工場量産体制を整備することで、資源の無駄をなくす。
    (※一般消費者やジュエリー工場の端材などから再生された地金)

など、環境に配慮しつつ、地域の経済を力強く牽引しています。

自社ブランド「anytime with jewerly」では、日常のデイタイムで使いやすいアクセサリーを展開。

「働く女性の毎日を支える」ために、普段使いしやすく、それでいてオシャレなジュエリーが揃っています。

ウェブサイト https://www.kohsai-qq.co.jp/
RJC取得証明書 Kohsai Co., Ltd • Responsible Jewellery Council
CoP取得年月 2021年11月

ミキモト(MIKIMOTO)【承認準備中】

日本の老舗ジュエリーブランドMIKIMOTO(ミキモト)も、RJC認証の取得に向けて準備を進めています。
既にRJCへの加盟は完了しており、今年中には認証を取得すると予想されます。

海外のRJC認証を取得している有名ブランド

RJC認証は、世界中で1029の企業がRJC認証しています。(2022年3月現在)

海外の著名なハイブランドはほぼRJC認証を取得しており、例えば

  • ハリーウィンストン
  • ティファニー
  • カルティエ
  • ショーメ
  • ピアジェ

などのブランドは、かなり早い時期からRJC認証を取得しています。

気になるブランドがRJC認証を取得しているかどうかは、こちらのページから、ブランド名を英語表記で入力すると検索することができます。

まとめ

この記事では、

  • RJC認証とは、環境・倫理面の取り組みや取引の透明性に問題がないことを示す認証
  • 日本で現在RJC認証を取得済のブランドは6社であり、それぞれ独自にSDGsへ取り組みを行なっている
  • 海外の著名なハイブランドは既に認証を取得済み

などについてお伝えしました。

企業がどれだけ環境や社会に配慮しているのか、世界的にますます注目される時代になっています。

自社の利益だけでなく環境や社会にも配慮している企業は、人々から応援され、信頼を寄せられます。

また、RJC認証によってサプライチェーンにおけるリスクや脆弱性の低減がされていれば、今後のブランドの発展も期待できます。

持続可能な社会のためにも、消費者としてはこのような企業の製品やサービスをできるだけ選びたいですね。

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