コロナ禍で結婚式を控えるカップルは、オンライン結婚式についても考える方が多くなってきています。
オフラインで少人数を呼び、その様子をオンラインで発信して、多くの友人に見届けてもらいたい!
そう思う方も増えてきているのではないでしょうか。
しかし、実際に行うとなると
- オンラインで結婚式を中継って、どうやるの?
- ゲストの反応はどうなの?
といったオンライン結婚式の準備や、実際の様子が気になるのではないでしょうか?
そこで今回は、7月に挙式をされ、その様子をオンラインでも繋ぎ、まさに「会場での結婚式+オンライン」を実現された先輩花嫁さんにインタビューをしました。
これからのプレ花嫁必見!オンライン結婚式も取り入れた結婚式についてお届けします。
- 新郎新婦が実際に準備したこと
- ゲストへの事前案内方法やご祝儀について
- オンラインで参加したゲストの反応
- 会場のゲストの反応
- オンラインゲストも会場ゲストも楽しめるイベント
- 全体を通して後悔したこと、よかったこと
目次
今回インタビューさせていただいた新婦について
お名前 | Wakanaさん |
会場ゲスト数 | 27名 (親族、一部友人) |
オンラインゲスト数 | 60名 |
配信方法 | Zoom+オープンチャット |
挙式スタイル | 結婚式場にて挙式+披露宴 |
インタビュー方法 | Zoomにてインタビュー |
これからの花嫁に向けて、たくさんお伺いさせてください!
オンライン結婚式も同時にすると決めるまで
※ここから先は、Wakanaさんにバトンタッチしてお話していただきます。
元々は95名を実際にご招待して、結婚式を行おうと思っていました。
ただ、コロナウィルス感染が拡大していく中で、決行するかも含めて悩んでいました。
ゲストに招待状を送る5月の時点で、最終的に決断しようと思っていました。
そして5月の時点で
- 緊急事態宣言も延長された
- 延期をするとしても、先が読めない
- 元々予約していた会場も窓がない部屋だった
悩んだ末、親族と一部の親しい友人以外の出席はお断りすることにしました。
LINEや電話でお断りすると同時に、オンラインでも繋げて行おうと思いますと伝えていきました。
実は、その時は会場にオンラインを繋げて良いという許可をもらっていただけで、それ以外はなんの準備もしていなかったんです。
できるかどうかも分からなかった。笑
でも、オンラインでも結婚式に列席してもらいたいと思い、ゲストにお伝えはしていきました。
ゲストからは
- 「こんな状況だけど、結婚式ができるのは良いね」
- 「実際に見れなくても、オンラインで見られるのが嬉しい!絶対見るね」
と温かい言葉をいただけたので、それが支えになりましたね。
なので、2ヶ月前からオンラインの方は準備を始めていきました。
結婚式当日の放映スタイル
結婚式をオンライン配信する時間
オンラインで繋いで配信した時間は
- 挙式開始の15分前から
- 披露宴お開き後の10分まで
繋ぎました。
意外と裏側配信が好評でした。
裏側配信とは、オンラインゲストにだけ伝える配信です。
通常の結婚式の参列者は、入場前や披露宴後に新郎新婦と話せませんよね。
でもオンラインゲストには、入場前から「今から入場するよ〜」と繋いでいるので、緊張している様子など裏側の部分まで見てもらえました。
なので、オンラインゲストには一番長く見てもらえたと思います。
4台のデバイスからZoomを配信
当日は会場に4台の機材を設置しました。
内容としては、このように配置と用途を分けました。
機材 | 名称 | 配置箇所 | 用途 |
❶iPad | 高砂iPad (新郎新婦が操作) |
高砂 (新郎新婦のテーブル) |
新郎新婦と話す |
❷スマートフォン① | 会場全体カメラ (新婦兄が担当) |
会場後方に設置 | 会場全体の引きの絵を撮る用 |
❸スマートフォン② | 新郎新婦カメラ | 新郎胸ポケット | 裏側配信用 |
❹PC | PC | 会場の音響室 | 会場のスクリーン画面に共有用 |
さらに、この4台とは別でホストがいました。
共同ホストにしたので、自分たちでもどのカメラの映像を配信するか操作できるようにしました。
当日のタイムスケジュールに関して
スケジュールを考えるの大変だったんじゃないですか?
そうですね。
なので、4台それぞれの役割分担を、タイムスケジュールに落としていきました。
タイムスケジュール | メインになるカメラ | 用途 |
入場前 | ❸新郎新婦カメラ | 裏側配信 |
入場〜ウェルカムスピーチ | ❷会場全体カメラ | 入場のシーンなど撮影 |
ウェルカムスピーチ | ❹PC | 会場スクリーンをおろし、オンラインゲストの顔を映し出し、紹介 |
乾杯後 | ❶高砂iPad | 新郎新婦や高砂に来たゲストと話す |
中座〜再入場 | ❷会場全体カメラ | 中座や再入場時にラウンドをしているシーンを引きで撮影 |
歓談 | ❶高砂iPad | オンラインゲストとも会話 |
オンラインイベント | ❹PC | スクリーンを降ろして、オンラインゲストの顔を映し出しながらイベント |
手紙〜退場 | ❷会場全体カメラ | |
退場後 | ❸新郎新婦カメラ | 裏側配信 |
どこのタイミングでどのカメラをONにして、メインにするかを考えられたのですね。
なんですけど、肝心の手紙のシーンがON出来ていなくって、そこだけ配信できなかったんです!泣
新郎新婦が準備したこと
2ヶ月前から怒涛の準備だったと思いますが、実際に何を準備されましたか?
オンライン環境の準備
オンラインの設備面での準備は、このように行いました。
- ポケットWi-fiをレンタル
- Zoomのプロアカウントを設定
- 結婚式会場で実際に検証
ポケットWi-fiをレンタル
式場でのWi-fiがなかったため、ポケットWi-fiをレンタルして練習しました。
zoomが切れやすいと聞いていたので、本番に使うWi-fiを2週間借りて、実際にリハーサルをしました。
Zoomのプロアカウントを取得
zoomの有料アカウントのことです。
無料アカウントだと40分で接続が切れてしまうんです。
- 3人以上で繋ぐ場合、40分で接続が切れてしまう
- 再度Zoomの部屋に入り直さないといけない
- zoomを操作する権限(共同ホスト)を複数持てない
結婚式中ずっと繋げておくために、プロアカウントを取得しておきました。
結婚式会場で実際に検証
打ち合わせで結婚式場に行った際に、本番さながらのリハーサルをしました。
- ゲストの練習も兼ねてzoomを繋ぐ
- 実際の会場のスクリーンに映し出す
- 4台の端末を同時に繋ぐ
本番まであと2週間でしたけどね。
実際のリハーサルで、このような問題点がわかりました。
- 4台のカメラを同時に繋ぐとハウリング(鳴音)してしまう
- zoomにも色々種類があり、ダウンロードするのに迷ったゲストがいた
- オーディオの設定が間違っているゲストがいた
意外とzoomを使ったことがないゲストが多く、zoomアプリのダウンロードや設定など、迷われた方が多かったみたいです。
オンラインゲストへの事前案内やご祝儀について
ゲストに当日、トラブルなく楽しく参加してもらうために、このようなことをしました。
- ゲストとZoomを練習する日を設定
- オープンチャットを開設
- Youtubeにプロフィールビデオをアップする
ゲストとのzoom練習日について
先ほどお伝えしたように、ゲストにはあらかじめzoomをインストールしておいてもらいました。
そして、初めてzoomを使う人もいらっしゃったので、練習日を4回設けたんです。
練習に参加してくれたゲストで、設定の問題で音が聞こえないことがありました。
オーディオ設定をし直してもらい、入り直してもらいましたけど、練習しておいて良かったなと思います。
そのため、本番ではzoomに手間取ったという声は聞いていないですね。
4回も練習日を設けられたのですね!
本番前にそのような設定ミスが分かり、防げたのは練習の賜物ですね!
オープンチャットを開設
オープンチャットとは、LINE上で「友だち」ではない人ともグループを作って、チャットができるサービスです。
また、必ずしも自分の名前で参加する必要がなく、匿名での参加もできます。
そのため、知らない人同士が不容易に繋がらなくて利用できます。
2週間前にオープンチャットで結婚式のグループを作成し、「今後結婚式の内容はこのLINEで通知するね」と伝え、当日のスケジュールもチャットに貼っておきました。
それ以降は個別での連絡は控え、オープンチャットでの連絡にさせていただきました。
あと、リアルタイムで見られなかった方のために、オープニングやプロフィールムービーをYoutubeで限定公開して、オープンチャットで共有しました。
オンラインゲストのご祝儀や服装について
ご祝儀や服装など、オンラインゲストは気になるところだと思うのですが、その案内などはされていたんですか?
あらかじめ、ゲストがオンライン結婚式に参加した時に困るかなと思うことを、伝えておきました。
具体的には、このような内容です。
- 服装は私服でOK
- ご祝儀や会費はなしで、無料でご招待
- 飲み物や食べ物は各自で用意
- 出入りも自由
これだけ言っておいてもらえたら、参加者も気兼ねなく参加できますね!
服装に関して
あらかじめ、服装は私服でいいよと伝えてありました。
結婚式当日を見てみても、私服で参加された方も多くいらっしゃいました。
一方で、少しドレスアップしている方や、お洒落な服装の子もいましたね。
お洒落してくれていた友人は、外出を控えて最近お洒落が出来ていなかったから、それも楽しかったと言ってもらえました。
ご祝儀について
オンラインで結婚式をすると伝えた時点で、無料で招待するねと伝えました。
そのため、特にご祝儀はいただかない形でしました。
でも、その反面「お祝いしたい気持ちは変わらないから」と、そのままご祝儀を贈って下さった方もいました。
また、挙式後にも「気持ちだけど」とご祝儀を下さった方や、お祝いの記念品を贈って下さった方も多くいらっしゃいました。
あとは、結婚式当日に電報のように、会場にバルーンを贈って下さった方もいらっしゃいました。
スケジュールに関して
スケジュールも2週間前には送っておいたので、当日、オンライン参加は出入り自由にしていました。
見て欲しい場面や、オンラインイベントタイムなどはあらかじめ伝えておきました。
そのため、それぞれ好きなタイミングで参加してもらえたと思います。
また、あらかじめ見たいシーンのアンケートを取っていました。
当日みんながどんなところに注目してくれているのか、知れるのは楽しかったです。
オンラインゲストも巻き込んだ演出
オンラインゲストとトークイベント
オンラインゲストをスクリーンに映して、コメントをいただきました。
事前にこういう時間あるから、コメントちょうだいと伝えておきました。
スクリーンは新郎新婦の後ろにあったので、私たちは高砂iPadを見て会話をしました。
そのため、マイクもiPadに向け、ゲストの声を拾いました。
5、6名を選出させてもらって話してもらい、話せなかった人はZoomのチャットにコメントをいただくようにしました。
そして、そのチャットもスクリーンに映るようにしました。
オープンチャットでフォトコンテスト
あとは、オープンチャットで、フォトコンテストも行いました。
- 列席ゲストに当日の私たちの写真を撮ってもらい、オープンチャットに掲載してもらう
- 中座中に新郎新婦が、その投稿写真の中から3枚選ぶ
- その中からどの写真がいいか、ゲストにオープンチャットで投票をしてもらう
- オンラインのゲストにも、列席しているゲストにも投票してもらい、一番投票数が多く集まった写真を撮った人が優勝
そのため、結婚式の3日前に、会場に来るゲストにも先ほどのオープンチャットに参加してもらいました。
会場のゲストが写真を撮り、オンラインゲストにも共有してもらいました。
ゲストの反応
オンラインゲストの反応
オンラインでも参加出来て良かった、という言葉を多くいただきましたね。
ドイツに住んでいる私の一番の親友が、「参加できないと思っていたから、嬉しかった!」と喜んでもらえたのも嬉しかったです。
あとは、妊娠で来れなくなっちゃった方も「こういう形でも参加できてよかった」と言ってくれていました。
会場のゲストの反応
会場ゲストも、遠方のオンラインゲストを画面越しで見れて「あの子の顔見れてよかった」と言っていましたね。
会場のゲストと、オンラインのゲストが再会を楽しんでいたのも良かったです。
仲良い10人グループがいるのですが、今まで誰かの結婚式で全員が揃ったことがなかったんです。
でも、今回の結婚式は初めて10人全員揃うことができました。
それも、オンラインだからこそですよね。
画面を通じて、お互いの友人を知ることができたのも良かったなと思います。
結婚式を通して後悔したこと
ありますよー!
後悔したことは、この2つですね
- 会場ゲストとのバランスが難しかった
- カメラ担当者との打ち合わせや、確認をもっとしておけば良かった
会場のゲストとのバランス
オンラインのゲストにも話しかけて、目の前にいるゲストとも話す、そのバランスが難しかったです。
例えば、私たちのiPadが目の前にあって、操作しています。
それを見た会場のゲストは、気を使って写真を撮りに来にくそうでした。
「一緒に写真撮ろうよ」と呼んで、来てもらうという感じで、ゲストとのバランスが難しかったです。
披露宴後などに、裏配信で時間を元々設けていたので、オンラインゲストとの会話はそこに集中すれば良かったなと思います。
カメラ担当者との打ち合わせや確認
事前アンケートで「見たい!」とリクエストが多かったところが新婦の手紙のシーンだったのですが、その重要なシーンが撮影できておらず、当日配信できなかったのは本当に悔しいです…!
会場全体の撮影をお願いした兄との打ち合わせを、もっとしておけば良かったなと思います。
兄はzoomを使うのが初めてで、練習もあまり出来ていませんでした。
でも、オープンチャットで「誰か新婦の手紙シーンを撮影してないですか」と投げかけていただいたところ、当日ビデオを回していた方が別で撮影されていたんです。
そのため結婚式から帰ってきて、配信できていなかったシーンは、Youtubeにアップロードし、オープンチャット内で限定公開しました。
Zoomのレコーディングができていなかった
また、色々あってzoomのレコーディングが出来ていなかったのも、残念でした。
自分も途中で気付けば良かったんですけど、そこまで気が回らなかったです…
zoomの操作をする花嫁さんっていないですもん!笑
笑。
友達からも、「Zoomを操作している姿が、仕事をしているみたいだった」って笑われました。笑
本当はもっとトラブルがあるのかなと思ってたのですが、意外とスムーズに行えたと思います。
素人なりに、よく頑張ったかなと思います!
結婚式を通じて実感したこと
ありがとうございます。
最終的にはこのように、オフラインとオンラインのゲストという形になりましたが、少人数で結婚式をするという選択肢もなかったわけではありません。
それでもオンラインで繋いだのは、自分たちの結婚式に、その人がいないのが考えられなかったから。
だから、こういった形でも参加してもらえて良かったなと思います。
挙式前から大勢の人が参加してくれた
あらかじめアナウンスはしていましたが、実際に何人が参加してくれるかは、当日にならないと分かりません。
なので、実はドキドキしていました。
でも、挙式前から大勢の人が参加してくれて、ビックリしました。
結婚式を行えて良かったなというのもありますし、こんなに多くの人に見守ってもらえて幸せだなと思いました。
オンラインという選択肢もあることを知ってほしい
色んな事情で延期できない人もいると思うんですよ。
そんな人にも、オンラインっていう選択肢もあるよって知ってほしいなと思います。
オンラインだからこそ、海外に住んでいる人や体調面で心配な人も参加できる。
だから、最初から会場列席かオンライン列席かっていう選択肢を提案してあげるのは良いのかなと思いますね。
また、参加した人にとっても、思い出に残るものだったと思います。
オンラインと会場、どちらのゲストにも目に見える世界が新鮮だったと思うんです。
まだ主流じゃないからこそ、印象的だったと思う。
でも、オンラインのゲストからも「画面越しでも幸せのお裾分けはもらえた」と言ってくれる人が多かったです。
画面いっぱいに、新郎新婦の満面の笑みが映っているって言ってもらえました。
思っていた以上に、想いが届いていたみたいです。
この時期、結婚式を開催することやオンラインで繋ぐことが何と言われるか、本当に不安でした。
でも、自分の周りの人は、絶対に味方になってくれるなって改めて実感出来たのは嬉しかったです。
まとめ
実際の結婚式をオンラインでも繋ぐ。
まさにこれからの結婚式の新しいかたちになりそうですよね。
インタビューを通じ、印象的だった言葉は、「その人たちがいない結婚式が考えられなかった」という言葉。
結婚式は、当日来られなかったとしても、オンラインで繋がれる時代になりました。
「結婚の報告をして、祝福される」
もちろん同じ空間でしてもらうことが一番です。
ただ、それが実現できない環境下でも、オンラインなら幸せを伝播できます。
その際、オンラインでスムーズに行うために、事前準備は必要です。
今回、たくさん準備されたWakanaさんの経験を、ぜひ参考にしてみてくださいね。
遠く離れていても、ワンクリックで繋がって、幸せを祝える。
オンラインでの結婚式は、デジタルで無機質なのではなく、あたたかい気持ちが届けられるツールなのだと実感しました。
インタビューしていて、私も幸せをお裾分けしていただきました♡
末永くお幸せに!